シミはターンオーバーでは治らないの?
シミはお肌の悩みNo.1
このシミがなければ顔の印象も変わるのに…って思ったことはありませんか? 自分の顔にできたシミって、ついつい気になってしまいますよね。
シミは30代以降の女性にとって「お肌の悩みNo.1」ともいわれるだけあり、年齢を重ねるごとに徐々に気になり始めます。シミがあると実年齢よりも老けて見えることが多く、お顔の印象は悪く見えがちです。さらに、悲しいことに一度できてしまったシミは、簡単に消えることは難しいといわれています。
シミができてしまったらもう消すことはできないのでしょうか。
本日の記事では、そもそもシミができる原因や予防方法など、詳しくお話したいと思います。シミについて知ることにより、お肌の悩みを解決する第一歩にしていただければ幸いです。
まずは、どのようにシミができるのか、シミのメカニズムを見てみましょう。
なぜシミができるの
シミとは、皮膚内で作られるメラニンという色素が沈着したもの。紫外線を浴び続けることでできる「日光黒子(老人性色素斑)」がもっとも一般的ですが、子供の頃からみられるソバカスや、ホルモンバランスの崩れが関係する「肝斑」というシミもあります。(引用:第一三共ヘルスケア くすりと健康の情報局)
メラニンとは、肌の奥にある「メラノサイト」という細胞が作り出す成分です。このメラニンは、有害な紫外線からお肌を守るために生成されます。
通常であれば、約28日周期(4週間)で新しい細胞に生まれ変わる「ターンオーバー」といわれる仕組みで、角質(古い細胞)とともにメラニンが排出されます。しかし、紫外線を浴び続けたり、肌への過度な刺激などが原因でメラニンが過剰に生成されることにより、シミの原因となります。
お肌のしくみをもう少し詳しく知りたい方は、こちらもご覧ください。
参考:肌の基礎知識を身につけ、自分の肌を理解しよう
では、そもそも「ターンオーバー」とはどのようなしくみのことなのでしょうか。
ターンオーバーとは?
皮膚が自ら生まれ変わり、健康な状態を保つための仕組み。表皮をつくる角化細胞は、基底層で生まれた後、約4週間かけて角層になるために変化しながら押し上げられます。その後、角層細胞として皮膚のバリア機能・保湿機能を担い、2週間後には垢やフケとなりはがれ落ちる。(引用:資生堂 研究開発)
ターンオーバーとは「お肌の新陳代謝」といわれており、汗と同じように不要な老廃物を排出する役割をもっています。先ほどのメラニンも、肌の奥で新しく生成された後、約28日周期(4週間)かけて角質(古い細胞)とともに剥がれ落ちます。
「傷」や「日焼け」など、時間が経てば徐々に治るという身体のしくみは、細胞が絶えずターンオーバーをしてくれることにより、お肌をもとの状態に戻していたからです。わかりやすくいえば、日焼けをすると一時的に黒くなり、時間が経つと元のお肌の色に戻ります。これが「ターンオーバー」をして、細胞が生まれ変わっている証拠です。
さらにターンオーバーは年齢とともに周期が長くなっていきます。傷の治りが遅くなったり、シミができやすくなるのは、ターンオーバーに時間がかかってしまうことが原因のようです。ターンオーバーが乱れると、どのようなリスクがあるのでしょうか。
ターンオーバーが乱れるとどうなるの?
そもそも、お肌の新陳代謝は約28日周期(4週間)とお伝えしましたが、それは20代の周期といわれています。30代・40代となると周期も長くなり、傷や日焼け、もちろんシミも治りが遅くなります。悲しいですが、周期が長くなることは防ぎようがありません。それ以外にも、ストレスやホルモンバランスの乱れなども、ターンオーバーが乱れる原因の一つです。
ターンオーバーが乱れると実際にどのような影響がお肌に起こるかというと、くすみや乾燥、そしてシミという症状がでてきます。
くすみの原因
ターンオーバーが低下し、角質(古い細胞)が剥がれ落ちず溜まってしまっている状態です。そもそも古い細胞自体が黒っぽいため、その細胞が溜まり厚くなることで灰色のように見えます。
乾燥の原因
お肌の水分量力が低下するとお肌が乾燥します。その状態が続くことで、ターンオーバーが一時的に弱まり未熟な細胞がつくられてしまいます。その結果、保湿・バリア機能が十分ではなくなり、通常であればターンオーバーで改善される細かいちりめん状の乾燥じわが、お肌に表れてしまいます。
シミ
通常であれば、ターンオーバーにより角質(古い細胞)とともにメラニンが排出されますが、ターンオーバーの周期が長いと剥がれ落ちるのに時間がかかり、メラニンが少しずつ溜まった結果、シミとなります。
ターンオーバーが乱れるだけで、シミ以外にもお肌にとても悪影響であることがおわかりになったかと思います。ではシミができてしまったらどうしたらいいのでしょうか。
健康的な生活でターンオーバーを正常化
最初にお伝えすると、シミは薄くすることはできても、消すことは不可能といわれています。なぜなら、一度シミができた皮膚はメラニンが過剰に生成され続け、次第に濃くなっていくからです。また、正常な皮膚よりもターンオーバーが滞ってしまうため、メラニンが蓄積しやすくなっています。
ただ、ターンオーバーを正常化させて、メラニンの排出を促すようケアしてあげれば、シミを薄くすることは可能です。ターンオーバーを正常化するためには、健康的な生活を心がけてほしいと思います。
紫外線対策はしっかりと
シミの原因は紫外線が主、といっても過言ではありません。シミを増やさないためにも、日焼け止めや日傘などを使用し、紫外線対策をしてください。また、夏が過ぎると日焼け止めを怠る人も多いと思いますが、涼しくなっても紫外線は変わらずあります。年齢を重ねたときに後悔しないよう、日々紫外線は気にして生活してましょう。
バランスの良い食生活
バランスの良い食生活にプラスして、ビタミンCやビタミンAなどを積極的に摂ると良いとされています。ビタミンCはメラニンの沈着を抑え、シミを薄くしてくれる効果があります。また、ビタミンAは、新陳代謝を促しシミを排出する作用があるとされています。
ただ注意点として、ビタミンCは身体に貯めておけず摂取しても流れてしまうので、ビタミンCが配合された化粧品などを使用して、お肌に摂取してあげると良いと思います。
ビタミンCについてもっと詳しく知りたいという方は、こちらをご覧ください。
参考:ビタミンCは水溶性だから浸透しないってほんと?
睡眠もしっかりと取ろう
ターンオーバーは寝ている間に行われているといわれているため、睡眠時間はしっかりと確保しましょう。また、寝ている間はお肌のハリや潤い、トラブルなどを解決してくれる成長ホルモンが分泌されているといわれています。毎日規則正しい時間に就寝できると、心も身体も気持ちよく過ごせますね。
ストレスを溜めない
ストレスはホルモンバランスが乱れ、そこからターンオーバーの乱れにも繋がります。またシミの対策に関わらず、ストレスを貯めていても良いことは全くないので、身体を動かすなどして気分転換をしましょう。
まとめ
シミができる原因は紫外線であり、シミを完全に消すことは難しいということが理解していただけたでしょうか。そのうえで、シミの予防には「ターンオーバーの正常化」が大切であるということを覚えていただければと思います。
一度できてしまったシミを完全に消すことはできません。自信が持てるお肌を目指して、これらのことを日々積み重ねていき、習慣化していくことが大事なのではないでしょうか。
参考元
・第一三共ヘルスケア:肝斑、くすりと健康の情報局
・資生堂:研究開発
・正しいスキンケア辞典:監修者 吉木伸子(皮膚科医)岡部美代治(元化粧品開発者)小田真規子(栄養士)